
夏のはなよめ
暑い夏がやってくると どうしても思い出す 忘れられない結婚式があります その日も今日のようにじりじりと太陽が照りつけるほんとうに暑い日でした 依頼のあった神社についてみると なにやら花嫁のお仕度は向こうの家の中だとのこと こんにちは カメラマンですっ 挨拶もそこそこに撮影しだしました 今日の結婚式は割と急なご依頼で予備情報まったく無し これではいかんなぁ とおもいつつ 早速 新郎に話しかけてみる シャイ なのか 緊張してるのか 情報ゲットできず・・・ まいったなぁ 近くのお親戚のおば様にちょっと話しかけてみる 『・・・』 シャイですね そうこうするうちに仲のいい美容師さんがやってきていろいろきくと なんと 今日のお嫁さんは 神社の娘 しかも 父が宮司で今日の結婚式は お父さんがするらしい・・・ しかも 巫女は妹 未知の体験がやってくる気がして アンテナ感度あげとかんと なにか決定的なものを逃しそう 久しぶりにキンチョーして来ましたにっぽんの夏 しかもお嫁さんの名前は なつこ 『・・・』 そうこうするうちに 花婿花嫁そろって神社のほうへ向かう様子

誕生日
小学校三年生ぐらいだったか・・ そのときも誕生日 いつものように 遊びに行く自宅の前のおねえちゃん家 いつものように あそんでもらったあと 『もうじき遊べなくなるんだ』 といわれ 何でなのか よくわからないまま帰宅・・・ 夜になり 誕生日のケーキが出てきて みんなでおめでとう でも ちっともうれしくない!! 何日か経って お姉ちゃんちに遊びに行くと おじさんが出てきて 『お嫁にいったんだ・・・』 と すこしさびしそうな顔 それから 何年も経ち 父の運転する車の助手席に座り なんとなく 外を眺めていると・・・ 一生懸命働く 前のおうちのお姉ちゃんの姿 すぐそこにいるのだけれど まったく出ない声 出たとしてもなんていえばいいのか・・・ 走り出す車・・・ しばらく経って 父親の車の8トラのカーステレオから流れる”ちあきなおみ”を聴きながら なぜだか すごく晴れやかな気持ちになったことを 今でもよく覚えています。 あれからとても長い時間がたった今日は なに 聞きながら帰ろうか