夏のはなよめ
暑い夏がやってくると どうしても思い出す 忘れられない結婚式があります
その日も今日のようにじりじりと太陽が照りつけるほんとうに暑い日でした
依頼のあった神社についてみると なにやら花嫁のお仕度は向こうの家の中だとのこと
こんにちは カメラマンですっ 挨拶もそこそこに撮影しだしました
今日の結婚式は割と急なご依頼で予備情報まったく無し これではいかんなぁ
とおもいつつ 早速 新郎に話しかけてみる
シャイ なのか 緊張してるのか 情報ゲットできず・・・
まいったなぁ
近くのお親戚のおば様にちょっと話しかけてみる
『・・・』
シャイですね
そうこうするうちに仲のいい美容師さんがやってきていろいろきくと
なんと 今日のお嫁さんは 神社の娘 しかも 父が宮司で今日の結婚式は
お父さんがするらしい・・・
しかも 巫女は妹
未知の体験がやってくる気がして アンテナ感度あげとかんと
なにか決定的なものを逃しそう 久しぶりにキンチョーして来ましたにっぽんの夏
しかもお嫁さんの名前は なつこ
『・・・』
そうこうするうちに 花婿花嫁そろって神社のほうへ向かう様子
いっぱい撮る
すこし横を見るとさっきからちょっと気になってた体の不自由な伯父さん?
と そのそばでなにやら花嫁の様子を説明する叔母さん?
昔よく杖をつきながら一緒に散歩した自分のおじいちゃんを思い出しながら
撮影していると
その叔母さんが伯父さんに
『なっちゃんがお嫁に行くよっ』
しばらくの沈黙の後
『そうか・・・』
若い頃から 目の不自由だった おじさんにも すっかりきれいになった なつこの晴れ姿は
確かに見えていました。